以前Cookieに掲載されていた『女の子の食卓』という食べ物をテーマにした漫画。
私は連載が完全に終わった後コミックスで読んだのですが、
それはそれはもう大好きな作品です!
泣ける話やら、
料理がめちゃくちゃおいしそうな話やら(やきそばの話読むと必ず食べたくなる…)。
そこで、個人的に選んだ好きなエピソードトップ10を紹介したいと思います。
トップ5じゃ厳しいなと思って10にしたのに、それでも厳しい。
それくらい、すばらしい話が多すぎでした。
10位:詠美莉のにぎった海苔むすび(6巻)
なんちゃって潔癖の翻訳家と、いじめられた経験のある中学生の女の子・詠美莉とのお話です。
詠美莉が家に来るようになったとき、
「うるさい子供の相手かとげんなりした」
とあり、
さらには人の作ったものは食べられないという叔母さん。
そんな感じで第一印象が冷たい人なキャラだったので、
それが詠美莉との交流によって変化するところがとても好きでした。
9位:半分こした親子丼と他人丼(6巻)
図らずも6巻続きですが。
これは、「お父さんのために」と大胆な行動をする中学生の優しさと、
親子丼&他人丼のスペシャルな丼が見どころ。
もう、その丼があんまりにもおいしそうなのです。
よだれがダーダーたれそうなくらい美味そう。
(汚い)
親子丼&他人丼をこれほどまでにおいしそうに描ける人は他にいるんだろうか。
志村先生の「料理をおいしそうに描く実力」が惜しみなく発揮された回です。
8位:正しすぎないタラモサラダ(4巻)
これを読むまでタラモサラダを知らなかった私。
読んでからはたまに作るようになりました。
たらこ、ジャガイモ、マヨネーズ・・・
絶対おいしーじゃん!
と思いまして。
「タラモサラダはギリシャ料理」と書かれているけど、
他のギリシャ料理はおいしいんでしょうかね。
なんとなくまずいイメージがあるギリシャ料理。(失礼)
実際どうなんだか、気になります。
ストーリーについては、
頭ぽわ〜んとしてそうな絢にとって、真尋はとても心強い存在だったのでしょうが、
それ以上に、真尋も絢のおかげでひとつ大きく成長したのではないかと。
いるじゃないですか。
大人になっても真尋みたいに薄っぺらい正論を吐いてドヤる人。
そういう人は、絢みたいな友達に一人も出会えなかったんだろうなと思います。
真尋は、絢のおかげで自分の凝り固まった考えを変えるきっかけをもらえたのでした。
よかった。
しょうもない大人にならなくて。
7位:お父さんのいる日のお鍋(7巻)
これはもう心温まる家族のストーリーです!
「お父さんが単身赴任しても大して変わんねー」
とか子供達が言ってるのを聞いたら、父ちゃん涙ちょちょぎれるぞ。たぶん。
と、父ちゃんに同情しながら読んでいたら、
そんな子供達が父の存在の大きさを再確認しながらみんなで鍋をつついていて、
こちらの心も体も温まりました。
たしかに一緒の夕飯が月に2・3回の状況だと、なかなか難しいと思うんですよね。
でも、共に過ごす時間が少なくても、家族は家族であり、父は父として子供達にとって存在が大きいんだなーと感じました。
まあ、私もこの父ちゃんと同じく鍋に牡蠣は入れませんけどね。
当たるの怖いから(笑)
6位:ファルファッレの入ったグラタン(3巻)
これもね〜個人的にかなり影響力のある話ですね〜
だってこれ読んでからうちのグラタン、ファルファッレですからね。
作中で描かれている通り、子供がめちゃくちゃ喜びます。
「リボン!リボン!」っつって。
ゆで時間が普通のマカロニよりだいぶ長いのですが、
見栄え良いしかわいいし、ワンランク上のグラタン(?)になる気がします。
これも、7位の鍋の話と同じで、
「一緒に過ごす時間が少ない家族」でも、家族はちゃんと家族なんだなーとホッコリする話となっております。
年の離れた義姉妹で、お互い何しゃべったらいいかわからん状況で、
「お母さんが作ってくれたちょうちょのグラタン」が姉妹をつなげてくれたのが、
とても感動しました。
5位:妹の極上のスクランブルエッグ(2巻)
作中に出てくる、特別な作り方のスクランブルエッグが
あまりにもおいしすぎるんです!!!!
もうこれはやばい。ほんとに美味い。
フライパンでジュージューやるのとは完全に別物。
あまりにも美味い・・・(しつこい)
なかなか、朝にそんな時間がないのでこの作り方使えないんですけど…
時間があるときはたまに作ります。おいしすぎます。フワッフワッッ。
そんで、この作り手の妹ちゃんが卵食べられないってのがまた、
引き立ててるんですよ。
これはぜひ読んでほしいです。
4位:ママに届けるベビーカステラ(6巻)
ストーリーがすごく好き。
お母さんが離婚してたら、そりゃこんな風に考えるだろうなーと思ったのと、
悩みを打ち明けたみーちゃんへの、おばさんの切り返しのうまさ。
なるほど、と思って・・・
ごまかして子供に合わせるのではなく(というかみーちゃんがごまかされなかったのだが)、
ごく大人的かつ個人的な意見を正直に述べて、
結果的にみーちゃんの心を救うことができたのです。
子供は大人が思っているほど子供ではない、という良い例ですね。
と言っても、みーちゃんはもうすぐ小5にしては大人びすぎているんですが。
大人びていて、頭が良くて、だから考えすぎてしまうんだろうなあと・・・。
でもおばさんのおかげで悩みが晴れて良かったです。
3位:スイミングクラブのアイスクリーム(1巻)
1巻の第1話!で、この破壊力。
衝撃を受けました。
長らく、ちゃんとストーリーがある短編って読んでいなかったもので
こんなおもしろい話描ける漫画家さんいるのー!?
とびっくりしたわけです。
おもしろいってのは、つまり心を動かされるというか、引き込まれるというか。
で、毎回読むたび泣くんです。この話。
「ものわかりが良くて冷静な子供」がバスの中で泣きじゃくる姿を見て、もう〜涙なしには読めません。
それに、主人公が子供というのも新鮮でした。
クッキーではその設定はまずないので。
だからこそ、子供だろうが感情移入できるんだなあと、
そこも驚きでした。
私自身は、
親が離婚したわけでもなし、スイミングプールに通っていたわけでもなし、
セブンティーンアイスに大した思い出があるわけでもなし。
(食べたけど)
それでも、共通点ないのに共感ってできるんだな〜と思いました。
不思議。
2位:えっちゃんのママのバジリコ・スパ(1巻)
この話は、
料理がおいしそうすぎて食べたくなる
というのと、
ストーリーが素晴らしすぎる
のダブルコンボです。
えっちゃんのママは、自身が言うように
「夫にとってもいい妻でもなく、娘にとってもいい母ではなかった」のかもしれない。
でも、赤の他人である景ちゃんをバジリコ・スパでどん底から救ったわけですよ。
えっちゃんのママは、もちろん「景ちゃんを元気づけよう」とは思っていたのでしょうが、
「なんとか助けてあげよう」というほどの強い意志はなかったと思います。
それでも、ささっと作ったバジリコ・スパのおかげで、
結果的に景ちゃんはまともな人生が送れるようになりました。
恩人ですよね。
家族でなくても、何気ない行動であっても、誰かを助けているかもしれない。
こういうことは実際あると思うし、あってほしいと思います。
えっちゃんのママがベランダの鉢からバジルを採り、
松の実とニンニクをすりこぎでゴリゴリして、オリーブオイルを加え、
パスタを茹でてソースと絡めて、
景ちゃんが
わっ すごいいいにおい・・・
と思ってる、この2ページ読むだけでもう毎回
ジェノベーゼ食べたくなってくるわけです。
うちも家庭菜園やっているのですが、
バジルってハーブの王様とか言ってるくせに他のハーブと違って夏しか育たないんですよね。まったくもう。
なので、夏になるとこのエピソード読んで、
庭からバジル採ってソース作って食べてます。
生パスタだとなお美味しい。
1位:お義姉さんの手作りのだて巻き(2巻)
栄えある1位です!だて巻きと家族のお話。
まず第一に、
だて巻きの作り方教えてくれてありがとう!
という気持ち。
そもそも「おせちは手作りできるもの」という認識すらなかった(笑)
なので、これ読んでからおせちを作るようになり、
もう3年目ですかね。
おせち、買うより作ったほうがおいしいし、安いし、子供といっしょに詰めると楽しい。
これだけでも、「人生の一部を変えてくれた漫画」としてめちゃくちゃ偉大です。
そして話もやっぱり感動モノです。
お義姉さんのキャラがサイコー。
「天涯孤独になった」と思ってしまっていた美乃里ちゃんでしたが、
こんなお姉さんができて本当に良かった。
「かわいそう」と哀れんでいるわけでもなく、
「旦那の妹だから世話しないと」という義務感でもない。
「家族になったんだから一緒に過ごさなきゃ」みたいな押し付けでもなくて・・・
説明が難しい・・・
でも、その説明が難しいお義姉さんの気持ちが、美乃里に伝わってハッピーエンドでした。
まとめ
とにかく、
志村先生ありがとう!
の気持ちでいっぱいです。
『女の子の食卓』のおかげで、ものすごく人生が豊かになった気がします。
食べることは生きることですしね。
絵も優しくて大好き。
『ごちそうは黄昏の帰り道』も好きでした。
ああ、またクッキーで描いてほしいな・・・。